善行寺は、1501(文亀元)年から浄土真宗の寺院として名古屋中川区愛知町の地で親しまれてきました。
国登録有形文化財となった本堂は年間行事、法事法要、葬儀などの式場として門徒や地域のみなさまにご利用いただいています。
2021年からは大相撲「荒汐部屋」の名古屋場所の宿舎をお受けし、境内には稽古用土俵があり、名古屋場所の期間は地域のみなさまなど見学者で賑わいます。
2024年に本堂等の御修復工事を終え、2025年4月には納骨堂「桜堂」を竣工しました。跡継ぎがいないご不安を抱えたみなさまに安心していただけるお弔いの場としてご縁を広げて行くことができればと思っています。また、ご門徒からの要望もあり、動物(ペット)の納骨とお弔いも可能な施設を設けました。
様々な活動を通して、これからも地域のみなさまに親しまれる寺院でありたいと思っております。
住職 第19世
善行寺の歴史は愛知郡米野村にあった臨済宗晋廣寺(しんこうじ)の第4世覚順が、浄土真宗第8世宗主の蓮如上人に帰依し、1501(文亀元)年に浄土真宗へ改宗したことに始まります。
以来520余年の長きにわたり、門徒の皆様の「法義相続」(お念仏の教えを引き継ぐこと)の篤い願いによって護持されてきました。
また、2018(平成30)年春には、本堂及び御成間、山門、鐘楼堂、太鼓楼、式台玄関及び玄関座敷、手水舎の計6件が「国登録有形文化財」となりました。歴史的・文化的にも価値の高い「貴重な地元の財産」として親しまれています。
桁行五間梁間五間、入母屋造本瓦葺、向拝一間付の真宗本堂で南面して建つ。内部は外陣の柱を省略し、矢来内にかけて一面に小組格天井を張る。背面の御成りの間は近代の増築。尾張藩の御大工・伊藤平左衛門の手により、虹梁や組物など細部の造作が充実している。
山門は、本堂の正面、境内南側に南面して建つ。建築年代は、残存する棟札から宝暦5年(1755)の五代目伊藤平左衛門道房の作で歴史的価値があり、四脚門の形式で虹梁を重ねて用いるなど、丁寧な造りで意匠的にも優れている。
本堂の南西方に位置し、高い乱石積基壇に建つ。方一間、吹放ち形式で、南北棟の入母屋造本瓦葺とする。粽付円柱を貫で固めて台輪を載せ、組物は木鼻付出組の詰組、天井は小組格天井、二軒扇垂木である。均整のとれた禅宗様の鐘楼で、細部意匠も良質である。
山門の北東方に建つ。東西棟の切妻造で、屋根中央西寄りに方一間宝形造の楼を載せ、四周に下屋を廻らす。内部は後世に居室化されているが、もと納屋で、西半には中二階や楼への上り口が残る。浄土真宗寺院の伽藍構成を特徴づける太鼓楼として貴重である。
手水舎は山門の北西隣に位置し、本堂と山門を結ぶ参道横に建つ。小規模で簡素な造りではあるが、寛保3年(1743)の銘が入った古い手水鉢を有し、参道横で境内の出入口付近の景観を形成している。
玄関座敷は、本堂の東に隣接する。正面の南端に式台玄関を置き、その奥北側に僧侶や門徒の控えの間として使われる。寺の建物への出入口、本堂と庫裏を繋ぐ重要な施設で、全体的に簡素でありながら品格があり文化財価値は高い。
所属門信徒や納骨堂契約者はもちろん地域の方との交流の場として、
さまざまな活動を行っています。
寺カフェ、大相撲「荒汐部屋」の稽古見学、寄付活動など、
お寺を通して交流や学びの場を広げていきたいと考えています。
「正信偈」をおつとめ後、コーヒーなどを飲みながらわいわい楽しくおしゃべり。「うでわ念珠づくり」などワークショップも開催。
2021年から名古屋場所の宿舎をお受けしています。境内東側に稽古用土俵があり、名古屋場所前の朝稽古は多くの見学者で賑わいます。
お寺への「おそなえ」を仏さまからの「おさがり」として頂戴し、地域の児童館へ「おすそわけ」しています。